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10/02/23火

住宅取得等資金贈与の特例を拡充

カテゴリー: 記事 — simojo @ 17:46:05

昨年、経済危機対策の一部として創設された、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(措法70の2)は、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、直系尊属から住宅取得等資金を贈与により取得し、一定の要件を満たした場合に、贈与された住宅取得等資金のうち500万円までの金額を非課税とする制度ですが、これに加えて平成22年度制改正において拡充が行われます。

◎拡充の内容
  適用期限延長          1年間 (平成23年12月31日まで)
  非課税限度額引き上げ
      平成22年中の贈与   1,500万円
      平成23年中の贈与   1,000万円
ただし、拡充された新制度の適用対象者は合計所得金額2,000万円以下の者に限定されます。
また、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例(措法70の3、70の3の2)の改正では、特別控除額の上乗せ額1,000万円が廃止され、65歳未満でも適用できるとする年齢要件のみが延長されることになりました。

結局のところ、どんなパターンが選択できるかについて、表を掲載しておきます。
大きな住宅でなければ税負担無しで親が子に家を用意できる環境となりましたので、住宅関連業界の方は営業活動の一助として、その他の方は自家の財産管理に活かしていただければ幸いです。

■平成22年中の贈与
, 合計所得金額2,000万円以下の人 合計所得金額2,000万円超の人
単体適用 1,500万円 500万円
相続時精算課税制度との組合せ適用 4,000万円 (1,500+2,500) 3,000万円 (500+2,500)
暦年贈与との組合せ適用 1,610万円 (1,500+110) 610万円  (500+110)
■平成23年中の贈与
, 合計所得金額2,000万円以下の人 合計所得金額2,000万円超の人
単体適用 1,000万円 なし
相続時精算課税制度との組合せ適用 3,500万円 (1,000+2,500) 2,500万円
暦年贈与との組合せ適用 1,110万円 (1,000+110) 110万円

10/02/10水

上場株式等の配当金支払通知書

カテゴリー: 記事 — simojo @ 18:35:34

昨年は株で損をした方が多いと思いますが、平成21年分から上場株式等の配当金と上場株式等の譲渡損失を損益通算したり、過年度(3年間)の繰越損失と相殺することができるようになったことも、多くの方がご存じと思います。これにより、配当金受領時に源泉徴収されている所得税7%と住民税3%を取り返すことができますので、例えば配当金額が多額になる不動産投資信託(REIT)などを所有している方にとっては必須の知識となります。
ただし上場株式等の配当を申告するためには、「支払通知書」を添付することになりましたので、確定申告期限に向けて慌てる個人投資家が多いのではないかと思われます。
(「配当金領収書」(つまり現金)で受け取っている方はもちろん、銀行振込で受取っている方も申告するためには「支払通知書」が必要になります。通帳のコピーなどでは代用できません。…税務署へ確認済)
「支払通知書」というのは配当の都度送られてくる「配当金領収書」と一緒に入っている同ザイズの配当金明細書のことです(銀行振込で受け取っている方にも「支払通知書」は送られてきます)。これを棄ててしまう個人投資家が多いだろうという配慮からだと思いますが、中央三井信託銀行やみずほ信託銀行では、年末から年初にかけて「支払通知書」を別途に郵送していたようです。しかし、私の知る限り他の証券代行会社は配当金支払時に「支払通知書」を同封していたようですから、受け取った配当金全額について、きっちりと源泉税を取り返したい方は全銘柄をリストアップして、失くした銘柄については証券代行会社へ再発行を請求する等の対策が必要になりそうです。また、上記2社についても平成22年分の配当からは余計な郵送コストを省ける同封方式を採用するようですから、今後は配当金受領の都度きちんと保管しておく必要があります。

09/12/31木

一人オーナー会社課税を廃止(平成22年度税制改正)

カテゴリー: 記事 — simojo @ 18:00:26

平成22年度税制改正大綱がこのほど決定しました。その中に「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」を廃止することが明記されています(平成22年4月1日以後終了事業年度から)。
個人事業主の儲けは事業所得なのでダイレクトに所得税の課税対象になりますが、個人事業主と実質的に変わらない一人オーナー会社のオーナーの場合には、役員給与(給与所得)という形をとるため給与所得控除を差し引いた後の金額が計算対象になりますので税制上個人事業主より有利な取り扱いになります。このように実態は同じでも、個人事業主という形をとるか法人役員という形をとるかで税制上の取り扱いに不均衡が生じます。この不均衡を解消するために平成18年度税制改正で設けられたのが「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」でした。「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」では一定額以上の役員給与を法人税法上損金不算入とするもので、これにより上記の不均衡の解消を図っていました。
ですからこの制度が単純に廃止されれば、上記の不均衡が再び発生することになりますが、不均衡の是正については政府は平成23年度改正で対応するようです。
思えば短命な制度でしたが、もともと給与所得控除があることによる所得税の節税効果を法人税法上の損金不算入による増税効果で相殺しようとする考え方自体が体系的におかしいと考えられますので、私としては今回の廃止は歓迎し平成23年度の抜本改正に期待したいと思っています。

09/12/22火

一人親方の報酬の所得区分

カテゴリー: 記事 — simojo @ 10:03:17

国税庁HPに公表された通達をそのまま掲載します。

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                                                     課個5-5
                                                               平成21年12月17日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

                                                                国税庁長官

        大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。
 なお、昭和28年8月17日付直所5-20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和29年5月18日付直所5-22「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和30年2月22日付直所5-8「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)及び昭和31年3月12日付直所5-4「大工、左官、とび等に対する従来の取扱通達にいう『大工、左官、とび等』の意義等について」(法令解釈通達)は、廃止する。

(趣旨)
 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得が所得税法第27条に規定する事業所得に該当するか同法第28条に規定する給与所得に該当するかについては、これまで、昭和28年8月17日付直所5-20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)ほかにより取り扱ってきたところであるが、大工、左官、とび職等の就労形態が多様化したことなどから所要の整備を図るものである。
                                    記
1 定義
 この通達において、「大工、左官、とび職等」とは、日本標準職業分類(総務省)の「大工」、「左官」、「とび職」、「石工」、「板金作業者」、「屋根ふき作業者」、「塗装作業者」、「植木職、造園師」、「畳職」に分類する者その他これらに類する者をいう。

2 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得区分
 事業所得とは、自己の計算において独立して行われる事業から生ずる所得をいい、例えば、請負契約又はこれに準ずる契約に基づく業務の遂行ないし役務の提供の対価は事業所得に該当する。また、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく役務の提供の対価は、事業所得に該当せず、給与所得に該当する。
 したがって、大工、左官、とび職等が、建設、据付け、組立てその他これらに類する作業において、業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬に係る所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定するのであるから留意する。
 この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。

(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。
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詳細については、こちらの留意点が実務に役立ちそうです。PDF

09/11/09月

税に関する高校生の作文

カテゴリー: 記事 — simojo @ 12:58:53

国税庁から平成21年度の税に関する高校生の作文(国税庁長官賞受賞者)が発表されました。
さすがに高校生らしく、ものの見方が素直だなと感じます。
やや優等生的な趣がないこともないですが、自分が高校生だった頃には考えもしなかったことばかりです。
大人が考える税金は利害関係が伴う節税やお金の綱引きとも言える税制度の議論ばかりですが、
ここに掲載された作文は、税制度の社会的な意味を平易に説明してくれているようで頭が下がる思いです。
「税に関する高校生の作文」掲載ページ

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